コピーライターのまつながです。
このこぴたつでは、たくさんの心理学を用いたコピーライティングのテクニックを紹介してきました。
そこで、今までの記事の中でコピーライティングと相性の良い心理学をピックアップしてまとめてみました。
今までのおさらいにも、取り組む実践例として参考するにも、新しい気持ちで読み始めてみるのもあなた次第です。
それでは早速、30以上の中から選ばれた心理学を見ていきましょう。
目次
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自分のことだと思わせる「バーナム効果」
占い師が「あなたは今、悩んでいますね?」と聞かれると、「なんでわかったんですか?」と驚く人も多いかと思います。
実際、占い師に訪れる人の大半は “悩みを持っているから” 訪れています。つまり、占い師からすれば、誰でも悩みを持って自分のところに来ていることは最初からわかってわけです。
しかし「はいはい。どうせ悩みあるんでしょ?早く言って」と言われるとあまりいい気持ちはせず、その人をあまり信頼しませんが、「今、あなたは悩んでいるんじゃないですか?」とあたかもあなたのことを見ていたと話すことによって、相手の信頼を手に入れているのです。
このように、誰にも当てはまることだけれども、その人だけのことだと思わせる心理を「バーナム効果」といいます。
相手に共感させて信頼をつくる
コピーライティングは、営業とは違い、文字だけで相手に行動してもらうテクニックです。つまり、実際に顔を合わせないため、営業よりも信頼をつくるハードルが高いといえます。
信頼がなければ、どんなに素晴らしい商品やサービスでも購入してもらえません。そのためにも、信頼を築き上げていくことは非常に大切だといえます。
「バーナム効果」は相手に「この人は私のことをわかっている」という信頼を築き上げてくれます。例えば、こんな文章を入れるだけでも、かなり印象が違ってくるはずです。
この文章にびびっと来た方は、以下のリンクを読んでみることをオススメします。
お得感を生み出す「アンカリング効果」
小売店のお店でよく使われているテクニックです。例えば、お店に行ってあるスーツが45,000円だったとします。
ちょっと高いなぁと思っても、その店の他のスーツが全て100,000円以上だったら、45,000円のスーツは安いと思ってしまいますよね。逆に他のスーツが全て20,000円以下だったら、45,000円のスーツは高く見えてきます。
このように、こちらの掲示した値段の印象が残り、後の判断に影響が出る心理を「アンカリング効果」といいます。
2段階でお得感をつくりだす
この「アンカリング効果」を2段階で使うことで、例えば、こんな強力なコピーをつくることもできます。
『通常価格800,000円のところ、250,000円割引の特別価格 550,000円!!』というコピーを
というと、思わず乗り出してしまいますよね。ただ、400,000円ですと売るのと上記のコピーを使うのではかなり印象が違ってくるのです。
日本人に効果大「バンドワゴン効果」
小さい頃、周りの友達みんなが持っているものに憧れた経験はありませんか。私の過去を振返ってみれば、携帯電話を自分だけ持っていなかったことが印象的でしたね。
このように、周りが持っているから自分が欲しくなったり、周りが使っているから安心だと感じる心理を「バンドワゴン効果」といいます。
この効果は周りと協調する日本人に特に効果的だと言われています。
多くの人が見ている。だったら面白いと考える。
例えば、2つの映画のキャッチコピーがあったとしたら、あなたはどちらを見たいと思うでしょうか。
②3人が泣いた!4部門第7位獲得!動員数100人突破の感動映画!
映画オタクはおいといて、大半の人は①を見たくなるのではないでしょうか。
このように「バンドワゴン効果」にはたくさんの人が見ている=自分も見なければと思わせる効果があるのです。
言い方を変えるだけで効果大「フレーミング効果」
突然ですが、あなたは以下の2つの話のどちらを聞きたいと思うでしょうか?
②100人中90人が面白かったという話
大半の方は②を選ぶのではないでしょうか。でもよく見ると、論理的には言っていることは同じなのですが、②の方が話を聞きたいと思ってしまうのです。
このように情報の意味が同じでも、選ぶ人の視点によって、行動する結果が変わってくる心理を「フレーミング効果」といいます。
高い商品を値下げせずに、一瞬でお手頃価格にする方法
例えば、72,000円の商品があったとしましょう。ちょっと高いなぁと思ったとしても、
1週間にするとたったの500円を節約するだけであなたのものになります。
このように高額商品でも分解することで「なんだ。それくらいで買えちゃうのか。」と思ってもらうこともできるのです。
みんなが持ってないから欲しい「スノッブ効果」
2つ前に紹介した、みんなが持っているから欲しくなる「バンドワゴン効果」と逆のパターンです。
例えば「皆既日食」は数百年に一度しか拝めません。もし、この皆既日食が太陽のように毎日見ることができるとしたら、あんなにたくさんの人が見ようと動くことはないでしょう。
このように、手に入れることが難しいほど求められ、みんなが手に入れるにつれ需要が減っていく効果を「スノッブ効果」といいます。
希少性をもたせる
例えば、ちょっと前に東京駅の100周年記念のPASMOが販売されたとき、ものすごく話題になり、たくさんの人が殺到しました。PASMOなんて持っているから、わざわざ新しいものはいらないと思っている自分でも欲しくなったくらいです。
これをコピーで比べてみると
②いつでも変える普通のPASMO
あまり興味がなくても①に惹かれてしまうのではないでしょうか。
このようにちょっとした限定モデルや記念バージョンは人を動かす力があるのです。
もちろん、毎日のように「限定」や「記念」をすると効果が下がってしまうので、注意が必要です。
お客様の声が大事な理由「ウィンザー効果」
ラーメン屋にいくとき、店長から直接「うちのラーメンはうまいよ!」と言われるのと食べた人から「あそこのラーメンは本当に美味しい!」と言われるのでは、印象がかなり異なります。
店長はお店をやっているわけですから「うちのラーメンはまずいよ!」というはずがありません。それに対し、知人の場合はまずかったら他人に勧めたり、またあそこに行こうとは思いません。つまり、信頼性が違ってくるのです。
このように、第三者がすすめるものであれば信憑性が生まれる心理を「ウィンザー効果」といいます。
自分の主観ではなく、お客様の観点を。
あなたが知人からある商品を進められたとき、どちらの方が使ってみようと思うでしょうか。
②いろんな人が絶賛して、今、予約殺到の商品なんだ。
とても仲の良い間であれば、①でも通用するかもしれませんが、大多数の人が②の場合に興味を持つのではないでしょうか。
自分のお客様を理解する「カクテルパーティー効果」
あなたが街中を歩いているときに、遠くの方から「ちょっとそこのアナタ!」と聞こえました。
それを聞いたアナタは、振返るでしょうか? もし振返ったとすれば、その人に近づいて話を聞こうと思うでしょうか?
多分、聞かないでしょうし、振返りもしない人もいるかと思います。
しかし、「30代男性で、新婚さんのアナタ!」と言われたら、それに当てはまる人は振返りやすくなります。
つまり、大多数の人に呼びかけるよりも、あえてターゲットを絞ることにより、結果的に多く振り向かせることができるのです。
このように、たくさんの人がそれぞれに雑談しているなか(カクテルパーティーなど)でも、自分が興味のある人の会話、自分の名前などは、自然と聞き取ることができる心理を「カクテルパーティー効果」と言います。
自分の商品が欲しい人は誰だろう?
例えば、以下のようなコピーがあったとします。
②30代OLで、これからのライフスタイルが気になってきた女性にオススメ
①の方が対象は広いですが、あまりに広すぎて本当に欲しがっている顧客に届かないかもしれません。
しかし、②に興味を持った人は、①に比べ、あなたの商品に興味を持っている人が多いはずです。
これは結果的に成約率につながり、売上がアップします(もちろん、商品とターゲットのニーズが違っていればいけませんが)。
もし売上がなかなか上がらなかった、一度、あなたの商品やサービスは誰が欲しがっているのか、考え直してみるといいかもしれません。
見ちゃいけないのに見てしまう「カリギュラ効果」
昔、怖い噂で「20歳までに『紫鏡』という言葉を忘れなければ死んでしまう」というものがありましたが、忘れなくては!と思えば思うほど、忘れられなくなってしまった記憶があります。
よくある週刊誌でも、「禁断スクープ!」といったキャッチがよく使われていますし、それにつられて読む人や気になってしまう人も多いと思います。
このように、ダメ(禁止)!と言われると、余計気になってしまう心理を「カリギュラ効果」といいます。
本当に求めていないなら、この先を読んではいけない
コピーライティングの世界では「カリギュラ効果」が使われているケースが多いです。
②◯◯で困っていてもいなくても、とりあえずこの先を読んでみてください。
①のキャッチコピーだと、そこまで興味がない人でも読ませてしまう力があります。
数ある心理学の中でも、「カリギュラ効果」は強力な部類に入ります。②と比べるとそのインパクトの違いがわかります。
しかし、強力な反面、使い方にも注意が必要ですので、お使いの際は十分に気をつけましょう。
ついつい続きが気になってしまう「ツァイガルニク効果」
最近どんどん広がっているオンライン上で読めるWeb漫画。ほとんどの漫画が1巻目は無料で読めたり、大盤振る舞いなところでは10巻まで無料な漫画もあります。
そんなんじゃ売上がたたないんじゃ・・・と思いきや、逆でした。読んだ人たちの中で「続きが気になって、つい買ってしまった」という人が続出したのです。
このように、人は自分が達成していることよりも、達成していないことに強くひかれてしまう心理を「ツァイガルニク効果」といいます。
相手に続きをよんでもらう
以下の2つのキャッチコピーを見てみましょう。
②月の売上が10倍になった理由は、実はある簡単なことを毎日5分だけ続けることでした。
①は先にキャッチコピーの中でゴールを書いてしまっています。本来、キャッチコピーは、続きを読ませる役割であって、商品やサービスを売り込む場所ではありません。
現に②に興味を持って、続きを読み、納得して購入する人の方が圧倒的に多くなります。短期的な結果を求めるのはあまり良い方法とはいえません。
利益よりも優先してしまう「損失回避の法則」
あるとき、風邪で寝込んでしまい、「もっと健康を意識すれば・・・」と思ったことはありませんか?
ほとんどの人は風邪にかかってもいなくても「健康が大事」ということは十分わかっています。
しかし、現に自分に痛み(この例でいえば風邪)が起こった場合とそうでない場合では感じ方が変わってきます。
健康なときほど「健康を大切にしよう」と考える人は少なく、逆に不健康なとき(またはその状態に近いとき)ほど、健康を意識する人が多くなるのです。
このように、人は利益を得ることよりも、損失を回避する方を選びやすい心理を「損失回避の法則」といいます。
人はリスクを恐れ、それを防ぐために動く
健康に関して、もうちょっとコピーライティングよりの例を上げていきます。
例えば、ある健康法のキャッチコピーを考えるとき、以下の2つのうち、どちらが反応されやすいでしょうか。
②あなたの睡眠大丈夫ですか?今からでも遅くないあなたの睡眠を助ける新メソッド!
①は利益、②は損失回避を意識しているコピーですが、①に比べ、②の方が寝不足だったり、なかなか寝付けなかったりする人に対して、「今やっておかなくてはいけない」と意識させ、実際に行動させるコピーだと言えます。
人の想像力を利用する「シャルパンティエ効果」
あなたの目の前に「羽毛100kg」と「鉄100kg」がありました。どちらが重いと思いますか?
クイズの本でも登場するほど、有名な問題なのですが、正解は「どちらも同じ重さ」です。
同じ100kgと書かれているので、当然といえば当然なのですが、無意識に「鉄の方が重い」と思ってしまいますよね。
このように、同じ重さでも、イメージだけで錯覚してしまう心理を「シャルパンティエ効果」といいます。
イメージだけで「すごい!」と思ってもらう
例えば、健康食品売り場によく並んでいるビタミンCを売りにした商品のキャッチコピーを考えてみます。
②この商品には、レモン1500個分ものビタミンCが含まれています。
①と②どちらがわかりやすいでしょうか。おそらく②の方がイメージがつきやすい人が多いと思います。
言っていることは同じなのですが、イメージしやすいかどうかだけで、印象は大きく違ってきます。
専門的な用語やデータを並べるよりも、何も知らない人にどうやって「すごい」と思ってもらえるか、ここを意識するだけでコピーは変わってくるはずです。
一瞬で相手を信頼させてしまう「権威への服従原理」
よくテレビ番組で、◯◯専門家という人が出てきて、自分の理論を話したりすることがありますよね。
それに対して、その分野を知らなかった場合「この人が言うなら間違いないんだろうな」と感じてしまいます。
このように、人は権威があるものを信頼し、正しいと判断してしまう心理を「権威への服従原理」といいます。
「権威」があるだけで売上は上がる
ほとんどの人は「権威」を感じさせる人の発言を信頼します。
ハーバード大学教授が推薦!
など、その「権威」があるだけで購入する割合は何倍にもアップします。
あなたの商品やサービスと相性の良い人は必ずいるはずです。
商品に絶対の自信を持っている人であれば、一度コンタクトをとってみるのもアリかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
数ある心理学の中からコピーライティングに特化したものだけを選びましたが、それでも結構数があります。
全ての心理学を使うのも大変だと思いますので、まずは自分がしっくりきたものから少しずつ実践してみてはいかがでしょうか。
このこぴたつには他にもたくさんの心理学の記事が掲載されておりますので、もっと知りたい方はこちらから自分に合った記事を選んでみてください。