たとえば、旅行中にお腹が空いた時に「あ、マクドナルドだ」と、いつもよく行くお店にはいってしまった経験はないでしょうか。
時には「いつでも食べれるじゃん!ここでしか食べれないお店に行こうよ!」と喧嘩になったこともあるかもしれません。
このように、選択肢が多くなると、人はいつもと同じ選択をするという心理が働きます。これを「現状維持の法則」と言います。
三日坊主も「現状維持の法則」が影響している
「よし、明日から頑張ろう!」
「今日から私は変わるんだ!」
と決意を固めても、2日後には元の日常に戻ってしまうことってありますよね。
(というか、多くの場合こうなりますよねw)
これも、現状維持の法則です。
・我慢してたのにまた食べちゃった
・また失敗しちゃった
・いつも怒られてばかりいる
これも「現状維持の法則」が深く関係しています。
特に、食事などは習慣化しているため、なかなか変えにくく、「朝食はパンをやめて明日からご飯にしよう」と意気込んでみても、結局パンを食べてしまうのは、習慣化しているから。
習慣になっていることを変えるのは簡単ではありません。
新しいことを始めるのに抵抗があるのも同じ。
会社を辞めようかな、と考えてはみたものの、なんだかんだで勤めることを選ぶのも、現状を維持しようという心理が働いていることが影響しています。
人は現状を維持しているほうが安心し、特に日本人は変化を嫌います。
「出る杭は打たれる」とはよく言ったもので、これは日本特有の風習で、海外ではみんなが出る杭なので、このような概念がありません。
話を戻しますと、多くの選択肢が与えられ、迷いが生じた時、人は新しいものを選択せず、これまでと同じ日常を送る事を選択してしまう。この心理が「現状維持の法則」です。
3つ以上の選択肢を与えてはいけない
これまでご紹介したことを踏まえ、ビジネスへの活用を考えてみます。
まず、お客さんを迷わせてはいけない。
それはつまり、選択肢を複数与えない、ということ。商品を紹介するときも、複数ではなく、多くても3つ程度に絞る。
「セットメニュー」や「おすすめ商品」「売れ筋商品」などをよく見かけますが、あれは「現状維持の法則」をうまく利用し、選択肢を絞ることでお客さんは選びやすくなり、購入率があがる、という効果があります。
WEbサイトの作りも同じです。ごちゃごちゃとして、どこを押したらいいのかわからないサイトは成約率が低い傾向があります。だからこそ、シンプルにする。
・選択肢は複数与えない
・できるだけゴールは1つに絞る
・ごちゃごちゃさせず、シンプルにする
これが重要です。
人は現状を維持したい生き物だ、ということを理解し、そのお客さんにどう新しい選択をさせるのか?これを意識するかしないかで文章は大きく変わります。
マーケティング戦略にも通じる話ですので、意識しておくと売上にも直結するほど重要な心理学です。