たとえば、
あなたが英会話教室に通い始めたとします。
そのことを友人に話したところ
「やめたほうがいいよ」
と言われたとしても、「うん、やめる」とはなかなかなりませんよね。
「そうかなぁ」「まあちょっとだけやってみるよ」
と言ってしばらくは続けてみると思います。
このように、最初にとった行動や発言を
貫き通したい、という心理を「一貫性の原理」といいます。
マンガを1巻買うと買い続けてしまう
10巻まで発売されているマンガの1巻から3巻まで買ったとします。
すると、
「続きも買おうかな」「せっかくだから揃えるか」
という心理が働き、続きを買ってしまう。
さらに、最新刊がでると、やめるにやめられず
仮にそこまで読みたくなくても、つい買ってしまう。
これも一貫性の原理。
コレクターの方は、特にこの心理が強い傾向があります。
また、誰にでも
「なかなかやめられないもの」
ってありますよね。
それも同じ。
やめるとそれまでの自分を否定してしまうようで
なかなかやめることができないんです。
試験問題を途中から解く人はいない
テストや試験問題を途中から解くことってないですよね。
これまで「順番通りに答えなさい」と先生や親に教えられてきましたから。
ましてや、1番、2番の次に6番を答える、
という人もいないと思います。
これも一貫性の原理で、
最初にとった行動を続けたいという心理が働いています。
また、一貫性の原理にはこんな効果もあります。
一貫性がある人は信頼できる
コロコロと意見を変える人のことってあまり信用できないですよね。
バラバラな行動や発言をすることで
「こいつ変なやつだな」
と思われたりもします。
「前と言ってること違うじゃん」
と感じると、その人への信頼は下がります。
(似たような経験ありますよねw)
逆を言うと、行動や発言に一貫性があることで、
他人からの信頼が得られやすく、評価されやすい
という効果があるわけです。
これも一貫性の原理のひとつです。
一貫性の原理はマーケティングにも使われている
「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」というものがあります。
これは、小さい要求を少しずつ大きな要求に変えていく
というもので、一貫性の原理を使ったもの。
スーパーの試食などはまさにそうです。
「味見してみない?」
→「これ買ってかない?」
と要求を大きくしています。
似たような手法ですと、たとえばハンバーガーショップで
「一緒にポテトはいかがですか?」
「ドリンクはおつけしますか?」
とすすめられることがあると思いますが、
これも一貫性の原理を応用したもの。
一度商品を買うと、つられて似たものを買いやすい、
という傾向があります。
このように、「一貫性の原理」は
日常的によく使われています。
コピーライティングにおいても使い方は様々。
「この続きを読みたい方はこちら」
と別のページに誘導するのは
同じ行動を続けたい、という心理を刺激したもの。
他にも、「YES」と答える質問を続ける
「YESセット」というものもあります。
これもやはり一貫性の原理を使ったものです。
(YESセットはまた別の機会に詳しく)
心理学の中でも日常的に使えますね。