コピーライターのなかむらです。
普段、私たちは何かしらの緊張状態を持ちながら生活しています。
たとえば、洋服を買いにお店にはいると「何かお探しですか?」と店員さんに話しかけられますよね。この時「変なものを買わされないようにしよう」という緊張状態にあります。
仕事をしている時なら「ミスしないように」。
街を歩いているなら「変な勧誘に引っかからないように」
ネットをしているなら「詐欺師にだまされないように」
など、何か行動している時、人は緊張状態にあります。
しかし、この緊張状態がほどけた時、注意力が低下し、無防備な状態に陥ります。
この無防備な状態を「テンション・リダクション」と言います。
”緊張の糸が切れた”という言葉がありますが、まさにこの心理状態のことですね。
つまり、思考力が低下している無防備な状態
この「テンション・リダクション」の状態というのは、思考力が低下した無防備な状態です。
事故を起こしやすい状態
学生の頃に「家に着くまでが旅行ですよ!」なんて言われたことあると思いますが、これは、緊張の糸が切れたことで事故を起こしやすくなるため、注意を促していたのです。
マーケティングにおいても「テンション・リダクション」はよく利用されています。
ついで買いをしやすい状態
先ほどお話したように、買い物をする時も緊張状態にあります。しかし、1度買うことを決めると緊張の糸は切れ、無防備になります。
つまり、「財布のヒモが緩んでいる状態」に。
ハンバーガーを買ったときに「ご一緒にポテトはいかがですか?」と進められることがありますよね。これは「ついで買い」を誘っているわけです。
アマゾンで本買うと「この商品を買った人はこんな商品も買っています」なんて紹介がでますよね。これも同じ。
最近ではセブンイレブンがドーナツの販売を始めました。これは、コーヒーを買うときに「ついでに」ドーナツを買うことを狙っている戦略です。
このように、マーケティングの世界においては「テンション・リダクション」を理解した戦略はよく使われています。
心の隙ができる瞬間を狙う
このような”心に隙ができる状態”は買い物だけに限りません。
たとえば、
・大事な会議やプレゼンが終わったとき
・試験やテストが終わったとき
・遠出から帰宅したとき
など、状況や場所が変わる時、緊張がほどけやすくなります。判断力が鈍っている状態です。
つまり、いつもなら「ダメだよ」と言われるような頼みごとも「まあいいんじゃない?」とお願いを聞いてもらえる確率が増えるのがこの状態。
事実、
「買い物終わりの女性に声をかける」
「他の男がナンパに失敗したのを見てから声をかける」
というナンパ師もいます。無防備な状態を狙っているわけです。
マーケティングだけでなく、頼みごとや恋愛など、日常生活においても応用されることの多い心理学ですね。
まとめ
緊張の糸が切れると、心に隙ができた無防備な状態になる
その結果「ついで買い」や「事故を起こしやすい」状態になる
そして、いつもよりお願いを聞いてもらいやすい状態になる
マーケティングで「アップセル」「クロスセル」と言われてる手法は、まさにこの心理を応用したものです。
この「ついで買い」をコピーで促すことができるかどうかによって、売上は大きく変わります。
人の心理を理解して行動すれば相手の行動が変わる、というのが心理学の面白いところです。
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